どの3DCGソフトメーカーも最近は無料のblenderが毎年魅力的になっていく事もあって、趣味目的のユーザーはそっちに取られて厳しい感じになっています。
業務用途だとMAYAとか他のプロ用ソフトが盤石な地位を築いています。
shadeも、短期間でバージョン19が登場したり、サブスクリプションのみになって、しかもその価格設定が高すぎなのを見ると、私のようなユーザーでも「やはりメーカーも厳しい状況になってきてるんだなぁ」と思ってしまいます。
18年以上shadeを愛用してきた者としては、今後もshadeには残って欲しいと思いつつ、値上げされたサブスクリプションプランでは、残念ながら今までのように定期的にバージョンアップをしてメーカーを応援する事はできず、私は17でバージョンアップを諦めざるをえません。
18の段階でもstandard版はバージョンアップ料金が大幅に値上げされて、どうしたもんかと思っていました。
shade自体は今後もモデリング用途で使い続けるつもりで、「置き土産(?)」という言い方は変ですが、shade3D社が毎年安定して今より数千万円収益を増加できる案を提示したいと思います。
会社的に厳しい状況になっていると思いますので、shade3D社のスタッフの方は、真面目にかつ早急に私のこの案を是非社内で検討していただきたい。
採用するしないの判断はまかせますが、業績を上向かせたいなら、是非やるべきだと思います。
「新しい機能を新たに開発費をかけて追加する」のではなく、「今のバージョン18のstandard版をベースに、一部の機能を使用できないようにして、特定用途に向けたグレードを安価で用意する」のです。これなら開発費をあまりかけずに用意できます。
shade for unityみたいな感じで、今のbasic,standard,professional版の三グレードに加えて、サブスクリプション型ではなく買い切り型のもう一つのグレードを用意するという感じです。
「漫画やイラスト用の3D素材のモデリングのみに焦点を当てた安いshadeを用意する」のです。
今はデジタルで漫画やイラストを描く人は、商業でも趣味でもかなり増えてきました。
漫画用ソフトのシェアとしては、コミックスタジオがほとんどのシェアを昔取っていて、今はその後継ソフトのclip studio paintというソフトが圧倒的なシェアを取っています。(コミックスタジオは良いソフトなので、今も愛用し続けている人も結構います)
このソフトのメーカーのセルシスさんがなんらかの大失敗をやらかさない限りは、今後もclip studio paintは漫画作成ソフトとしてNo.1のシェアをずっと取り続けるでしょう。
その漫画やイラスト界No.1ソフト向けに「3D素材製作に焦点を絞った安いshade」を出すと、毎年安定して売れ行きが期待できるのです。
コミックスタジオもclip studio paintも3D素材を使って作画できるようになっていて、一部ユーザーは背景や小物の作画を効率よくできるという事で、3D素材をわりと利用していたりします。
現在の漫画雑誌では、掲載作のうち一割か二割くらいの作品は、背景や小物の一部を3D素材を使って作画している、という感じです。
作画時間の効率化につながるので、今後はこの割合ももう少し増えていくと思います。
私自身はshadeでコミックスタジオやclip studio paint向けの3D素材をかなり前から作っては、clip studio paintのメーカーのセルシスの素材配布サイト「clip」に登録して無料配布や有料で販売してきました。
大儲けとはいかないものの、適度な小遣い稼ぎにはなる感じです。
時給換算すると300円前後になる事が多いですが、たまにイレギュラー的に大きく売れて、時給換算すると5000円や1万円を超えるという3D素材もいくつかありました。
7時間くらいかけてモデリングした素材が、4,5年売れ続けてその素材一つで10万円以上の金が入ってきたりも。「日給が一万円以上」ではなく、「時給が一万円以上」のびっくり報酬です。めったにない事ですが。
まぁ、大抵は時給は低くなりがちなので、あまり期待しすぎない方がいいですが、「漫画やイラスト用で、あればわりと便利な3D素材」をきちんと作れば、時給換算で1000円以上稼げる事は結構あります。
私自身は今現在は3D素材製作は都合により時間が取れないので長期間お休み中ですが、時間に余裕のあるshadeユーザーさんは、良かったら漫画向けの3D素材を作ってセルシスさんのclipで投稿されるといいかも。
で、shadeで漫画用3D素材を数多くモデリングしてきた身としては、「今のshadeは漫画やイラスト用の3D素材製作では、かなり使いやすいモデリングソフトになっている」と思います。
unityやunreal engine向けのゲーム用の3D素材を作るのにはshadeは適していません。複雑な形状製作や今時のマテリアル設定ができないなど、不向きだと思います。
しかし、テクスチャも簡単な感じで、わざとディテールを削ぎ落とす事が多い漫画向けの3D素材をモデリングする用途としては、UIの構成や搭載しているツール類などのおかげで、今のshadeは快適にモデリングできる良いソフトとなっていると思うのです。
もちろん他の3DCGソフトも使い勝手が良いですが、この用途ではshadeもなかなか良い感じなのです。
だから、「漫画やイラスト向けの3D素材作成ソフト」として機能を絞り、shadeはモデリングしやすいという事をきちんとアピールし、買い切り型の安い値段で出せば、毎年そこそこの販売が見込めると思います。
漫画ソフトのメーカーのセルシスさんと協業して「shade for clip studio paint」というソフトを、サブスクリプション型ではなく買い切り型で税込み5400円くらいで出せば、国内や海外で毎年それなりの販売が安定して見込め、shade3D社の収益を今後毎年数千万円底上げできるでしょう。
実際は成功させるには、以下に記載の事を一つ一つきちんとクリアする必要があります。
どれか一つでも欠けると成功は見込めないので、shade3D社の勝手な判断で一部は変更する、みたいな事は絶対にやめた方が良いと思います。
<その1 セルシスさんに話をもちかけて協業する事>
「shade for creators」みたいなグレード名で自社サイトのみで売るよりも、「shade for clip studio paint」という名前で、セルシスさんのサイトでclip studio paintや他のソフトの販売ページで一緒に掲載してもらった方が売れ行きを大幅に増やせます。
セルシスさんとの協業は成功のためには必須です。
セルシスさん自身は自社でclip studio modelerという3Dソフトを開発しているのですが、今はこのソフトは他の3DCGソフトで作ったデータのコンバーターやアセンブラ用途としてしかあまり使えず、モデリングソフトとしては色々な機能が足りないです。
セルシス的には開発費をさらにかけてこのソフトを使いものになるよう何年も機能強化していくより、すでに漫画用の3D素材作成ソフトとしてかなり使いやすくなっているshadeにclip studio paintを後押しするような新たなグレードを安く提供してもらった方が良いです。
clip studio paint向けの3D素材を作るユーザーをもっと増やせて、shade3D社はもちろん、セルシスさん側にとっても悪い話ではないでしょう。
<その2 値段はユーザーが買いたいと思う安い値段でないと売れない>
値段は税込みで5400円くらいが適当だと思います。
もう少し安くできるなら、それにこした事はないです。税込み4800円とか。
逆にこの値段より高くしてしまうと、ユーザーに相手にされず、売れ行きは期待できないでしょう。
買い切り型でなくサブスクリプション型のみにしても、やはり相手にされず。
買い切り型で税込み5400円、同時に月500円のサブスクリプション型も用意する、とかならいいですが。
<その3 basic版をベースにするのではなく、standard版をベースに一部機能をロックして作る事>
モデリングソフトとしては、わりとstandard版のプラグインで実装されたモデリングツール類を漫画用の3D素材製作では使います。
だから、「プラグインや一部ツールが使えないbasic版をベースに作る」のではなく、「standard版をベースに一部機能をロックして作る」ように必ずしてください。
漫画用の3D素材のモデリングではトゥーンレンダリング機能は必須ですし、リプリケーターとかその他のツール類も必要になります。
テクスチャ系のツールもきちんと残しておく事。
アニメーション機能は必要ないですが、直線移動や回転、拡大縮小や均等拡大縮小などのジョイント、パスリプリケーターなどは必要なので、絶対に削らないように。
私が膨大な数のモデリング用のスクリプトを作ってきたのは、漫画用の3D素材を効率良く作るためでもあります。
これらのスクリプトが「shade for clip studio paint」でも使えるのと使えないのでは作業効率がかなり違ってくるので、スクリプト、プラグイン機能は使えるようにする事。
漫画用の3D素材ではobj形式でエクスポートする事もわりとあるので、obj形式やその他の形式でのエクスポート機能は削除しないように。
レンダリングについては形状の簡単な確認のための通常レンダリングとトゥーンレンダリングの両方を使えるようにします。大域照明は必要無し。
モデリング用のライトはstandard版からどれも削らない事。
表面材質パネルは、そのままか、削るとしてもボリュームレンダリングやプロシージャルテクスチャを使えないようにする程度に。
<その4 今後バージョンアップする必要はない>
漫画用の3D素材のモデリングツールとしては、今搭載されている機能で十分なので、わざわざ開発費をかけて新しいバージョンを作る必要はないです。
basicやstandard、professional版は今後バージョンアップしても、shade for clip studio paintはバージョン18をベースにして作り、以後はずっとそのままで売り続けても良いでしょう。
一度「shade for clip studio paint」を作ってしまえば、今後はこのグレードについては追加の開発費はかからないわけです。
<その5 公式サイトで専用ページを設けて購買意欲を高める事>
shade3D社で「shade for clip studio paint」の専用ページを設けて、そこでソフトの紹介や、使い方の連載ページなどを用意する事。
「shade for clip studio paintなら、こういうツールが搭載されていて、漫画やイラスト用の3D素材製作に役に立ちます」というのをしっかり示すと購買欲を高める事が出来ます。
ユーザーは無料のblenderや他の3DCGソフトも検討するでしょうが、きちんとshadeの良さをアピールするページを設ける事で、shadeを選ぶ人を増やせます。
連載ページでは、第一回や第二回で基本的なUIや操作方法、オブジェクトや頂点、辺、面の選択方法、基本的なツール類の紹介、トゥーンレンダリングの設定などを紹介。
第三回目では、「漫画用の3D素材を作る時の注意点」を紹介。トゥーンレンダリング時に意図した箇所に線がきちんと出るようなモデリング上の注意点とか。
第四回以降では、椅子や小道具など、毎回比較的簡単に作れる漫画用の3D素材のモデリング手順を紹介し、じょじょにレベルアップして建物や車など、もう少し手間のかかるモデリング手順を紹介します。
漫画用の3D素材は、あえてディテールを落とした方がトゥーンレンダリング時に線がうるさくなりすぎず使い勝手が良いので、あまり細かくモデリングしすぎないように。
頑張って細部を作りこんでも、トゥーンレンダリングで真っ黒になるだけです。
特定のツールを使って「今回はこのツールで効率良く漫画用3D素材を作ってみよう」的な回が時々あったり、「漫画用に売れる3D素材とは?」の番外編的な回もあったりすると良いです。
こういう形の連載ページを社内スタッフやshadeユーザーに依頼して書いてもらいます。
私が書ければいいのですが、しっかり時間が取れないため、できるとしたらアドバイス程度ですね。
また、shade for clip studio paintの紹介ページでは、「shadeで作られた漫画やイラスト用の3D素材」を専用ページでずらっと一覧で掲載して見せる事で、より購買意欲を高める事ができます。
すでにセルシスさんの素材投稿サイトで漫画向け3D素材を投稿しているshadeユーザーに作例の提供を呼び掛けたりするといいでしょう。
私が作ってきた数多くの漫画用3D素材の画像を作例画像の一部として提供しても良いです。
<その6 漫画の作画用途だけじゃなく、3Dプリント用にチェック機能も残しておくと、もう少し売れ行きを伸ばせるかも>
shadeでは3Dプリント用に形状のチェックツールが搭載されていますが、これは一応残しておくと、「5400円なら、3Dプリント用のモデルのチェックに使うか」みたいな感じで買ってくれる人を少しですが増やせるかもしれません。
<その7 twitterでの定期的な宣伝>
漫画用の3D素材製作ツールを買うという人は、「プロの現場で活躍しているアシスタント」か「趣味で漫画を描きだしたユーザー」の一部だけだと思われます。
しかし、実際は「漫画用の3D素材を作ると、ちょっとしたこづかいかせぎができる」という事をshade for clip studio paintの紹介ページでアピールすれば、自分では漫画を描かないものの、こづかいかせぎをしたいという人達も買うようになって、売れ行きを増やせます。
「あなたもshade for clip studio paintで漫画向けの3D素材を作ってこづかい稼ぎをしてみませんか?」というつぶやきをtwitterで定期的につぶやいてshade for clip studio paintの紹介ページへ誘導すると良いでしょう。
漫画用の3D素材は、先に書いたように時給換算すると低い稼ぎになる事が多いのですが、時々びっくりするくらい売れる事がある事や、「自分のペースで空いてる時間に少しずつ作っていって完成して販売できる」という利点があります。
「色々な漫画で自分が作った3D素材が背景や小物として使われているのを見かける」というのも、結構嬉しい事ですよ。
私も数多くの3D素材を作ってきただけあって、私の素材を作中で使ってくれた商業漫画はすでに目にしてる分でも50作品以上あり、私が気づいていないのも含めると100作品を越えていると思います。
他の3DCGソフトでも漫画用の3D素材はもちろん作れるのですが、今現在のshadeはかなり快適に効率良く漫画用の3D素材を作れるので、そこをきちんとアピールした上で、ユーザーが買いやすい買い切り型で値段が5000円程度の安めの価格のshadeを新たに用意すると、今後は毎年安定して売れ続けて、shade3D社の利益を底上げ可能です。
今は厳しい状況だと思いますが、shade3D社や新しい親会社のスタッフは、会社の収益を増やしたいならば今回私が提案した案は早急に社内できちんと検討していただけたらと思います。